【中医協】有床診の栄養管理、「要件」から加算に戻す/中医協で大筋了承
中医協総会は12月4日、有床診療所の入院基本料の要件から栄養管理体制を外し、栄養管理実施加算に戻すことを大筋了承した。有床診での管理栄養士の確保が進んでいないため。複数の診療所が連携して管理栄養士を配置することも評価する方向となった。
有床診の機能に応じた評価も議論した。有床診は病院の早期退院患者の在宅などへの受け渡しや、緊急時の対応、在宅医療の拠点などさまざまな機能が期待されている。地域包括ケアシステムの構築で重要な役割を担う可能性があるが、近年は減少傾向にある。
厚労省は、急性期医療の後方病床として評価される「有床診一般病床初期加算」が100点(7日以内、1日につき)にとどまっており、類似の救急・在宅等支援病床初期加算(150点、14日以内、1日につき)などに比べて低いことや、救急入院が多い有床診ほど手厚い人員配置をするため経常利益率が悪化していることなどを課題に挙げた。論点には▽有床診一般病床初期加算の評価を類似の加算にそろえる▽看護補助者の配置など、緊急時の入院について充実した体制の評価▽多機能を持つ有床診の入院基本料の在り方―を示した。
診療側からは、有床診の入院基本料を全般的に引き上げるよう求める声が上がったが、支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「私は中医協での『底上げ論議』にくみしない。それぞれの医療機関が果たしている機能をどう評価するかの観点で議論すべきだ」と反論した。
中川俊男委員(日本医師会副会長)は「今回の改定で、医療全体を底上げしようという強い主張をするつもりはない。しかし、2000年代の医療費抑制の中で手当が忘れられてきた代表例が有床診だ」と述べ、手厚い評価が必要との認識を示した。(12/5MEDIFAXより)