【中医協】早くも再診料が議論に、診療側は「2点上げ」/中医協総会
中医協総会(会長=森田朗・学習院大教授)は6月12日、厚生労働省が示した診療所機能の評価に関連し、再診料(69点、診療所と200床未満の病院が対象)をめぐる議論が早くも始まった。診療側は、前々回の2010年度改定で病院の再診料と点数を統一するために引き下げられた診療所の再診料2点を元に戻すよう要求。支払い側は、ほぼ静観の構えを取った。
同日は外来医療を議論した。厚労省は「主治医機能の強化」と「診療所の機能と初・再診料」の2つに関する資料を提示。診療所の機能と初・再診料では「診療所機能を勘案した外来機能の評価の考え方」を論点とした。
診療所の機能について厚労省は「一般的な医療の提供に加え、専門的医療の提供もしている。時間外や救急の対応、禁煙指導、がんの早期発見などを含め、医療の重要な役割の一端を担っている」と記載。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「現状の機能を認めていただいた」と謝意を表した上で、「論点については再診料を戻していただくことに尽きる」と求めた。このほか診療側委員は「総合的かかりつけ医には71点に戻すことが必要」(嘉山孝正委員=全国医学部長病院長会議相談役)、「再診料には人的・物的コストも入っている。まずは回復してほしい」(鈴木邦彦委員=日本医師会常任理事)と主張。西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「診療所を上げるときは、当然、中小病院も同じことが前提だ」とし、診療所と病院の点数を別々に設定すべきではないと念押しした。
●包括化の議論もすべき/白川委員
支払い側は白川修二委員(健保連専務理事)が「再診料とそれに絡むさまざまな加算を含めて、どの項目を包括化するかの議論もすべき」と指摘。安達委員は、引き下げありきの包括でなければ議論はできるとの姿勢を示しつつも「外来は診療形態がそれぞれ異なり、包括できる範囲は意外と狭いのではないか」と慎重な見方をした。
従来は改定作業が大詰めの時期に論じられる再診料が6月に議論されるのは異例。厚労省保険局は「診療所の機能が分かる資料が欲しいと要望があったので、初・再診料という評価も一緒に示した」と説明。診療所の機能に基づく自由な意見交換だとした。
●主治医機能、健康相談をどう評価?
主治医機能については厚労省が「期待されること」として、アクセスのしやすさや服薬管理、検診などの受診勧奨、気軽な健康相談、介護保険制度への理解、在宅医療の提供、24時間対応などを挙げた。
論点としたのは、主治医機能を持つ医師が、複数の慢性疾患を持つ患者に継続的・全人的な医療を行うことへの「総合的評価の考え方」。厚労省保険局の宇都宮啓医療課長は「今の診療報酬では検診や健康相談は評価の対象外。こうした重要な機能をどう評価すべきかという意味で『総合的に評価する』と表現した」と総会で述べた。(6/13MEDIFAXより)