【中医協】患者紹介ビジネス対応「診療報酬と療担」2本立て/厚労省  PDF

【中医協】患者紹介ビジネス対応「診療報酬と療担」2本立て/厚労省

 厚生労働省は10月23日の中医協総会に、いわゆる「患者紹介ビジネス」について、在宅患者訪問診療料や在宅時医学総合管理料の要件変更と、療養担当規則改正の2本立てで対応する方針を示した。

 患者紹介ビジネスは、在宅医療を行う保険医療機関に民間事業者などが集中的に患者を紹介し手数料を得るもの。診療報酬の一部がそうした事業者の手に渡ることや、患者のフリーアクセスを阻害したり、過剰診療が行われたりする可能性が指摘されている。

 厚労省は患者紹介ビジネスの実態把握を強化するため、8月28日付で地方厚生局などに事務連絡し、事例を把握した場合に医療課まで報告するよう求めていた。その後、報告された事例は20件で、月2回の訪問診療が入居条件だったり、9割の入居者に訪問診療が行われている事例があった。紹介患者の入居施設・住宅は▽有料老人ホーム9カ所▽認知症高齢者グループホーム4カ所▽サービス付き高齢者向け住宅3カ所▽軽費老人ホーム1カ所▽特別養護老人ホーム1カ所▽不明2カ所―だった。

 患者紹介を受けた医療機関の内訳は歯科診療所が7カ所、医科診療所が5カ所。患者紹介の仲介者で把握できたのは株式会社3社で、医療機関が仲介者に紹介料を支払った事例は2件把握した。1件は「診療報酬の70%から消耗品などの経費を控除した額」で、もう1件は「診療報酬の医科10%、歯科15%の額」を支払っていた。

 厚労省は対応策として、診療報酬による対応と療養担当規則の改正などによる対応を提示。2010年度改定で訪問診療料の分類を施設ではなく同一建物の訪問人数で整理したことを例示し、在宅時医学総合管理料と特定施設入居時等医学総合管理料を、訪問診療料と同じく同一建物に応じた評価体系にすることを提案。在宅患者訪問診療料は「過剰診療を防ぐため患者への説明と同意の確認をする」「同一建物の訪問診療は診療実態に応じた評価にする」などを提示した。

 保険医療機関が患者の紹介を受けて紹介料を払うことが違法ではない現状を変えるため、療養担当規則の改正などで、保険医療機関が紹介者に紹介料を支払うことを禁止することも示した。

 10月23日は時間切れで議論はできなかった。今後の中医協総会で議論する。(10/24MEDIFAXより)

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