【中医協】強化連携型在支診・在支病に実績要件を提案/中医協で厚労省  PDF

【中医協】強化連携型在支診・在支病に実績要件を提案/中医協で厚労省

 中医協総会は10月23日、次期改定へ向け在宅医療を議論した。厚生労働省は連携型の機能強化型在宅療養支援診療所・病院について、それぞれの医療機関に緊急往診や看取り回数などの実績要件を課すことを提案した。診療側委員は反発し、意見の一致には至らなかった。

 機能強化型在支診・在支病には▽常勤医師3人以上を配置▽月1回以上の定期的なカンファレンスの実施▽過去1年間に緊急往診実績5件以上と看取り実績2件以上―などの要件がある。連携型は、単独では医師が確保できないなどの理由から、複数の施設が連携して要件を満たしているものだ。

 保険局医療課は、機能強化型在支診・在支病でも緊急往診や看取りの回数が0回の施設が存在する一方、機能強化型ではない在支診・病院でも緊急往診が5回以上あったり、看取りが2回以上の施設があることを資料で示した。

 連携型については、1カ所が実績を上げているだけで連携先がまったく実績を残していないという状況を避ける観点から、それぞれの医療機関が看取りや緊急往診などの実績要件を満たすことを提案した。

 議論では西澤寛俊委員(全日本病院協会長)が真っ先に反発。「強化連携型ができたのは、1つでも多くの中小病院や診療所が在宅医療に取り組んでほしいから数を増やそうという意味だった。実績を満たすことを要件にすると裾野を広げることにならない」と述べた。

 これに対し支払い側の矢内邦夫委員(全国健康保険協会東京支部長)は「いわゆる護送船団方式ではないほうがいい。実績は評価すべきだ。実績がないところは、機能強化型という看板を外してもらうしかない」と反論。西澤委員は「診療報酬には、実績を評価する点数の付け方と、必要な医療提供体制を推進するための点数の付け方がある。強化連携型は後者だ」と、在宅医療連携を推進する観点から、実績を要件にすべきでないとする考えを譲らなかった。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)も「連携型の趣旨に反する」と、実績を要件にすることに反対した。

●機能強化型の要件引き上げも
 医療課はこのほか、一般の在支診・在支病が機能強化型の届け出をしていない理由に、常勤医師3人以上を配置することが難しいためという回答が多かったとする資料を提示。常勤医師が3人配置されていないため機能強化型ではないが、緊急往診や看取りの実績がある一般の在支診・在支病を診療報酬で評価することを論点に提案した。機能強化型在支診・在支病の実績要件を、現状よりも引き上げる方針も示した。(10/24MEDIFAXより)

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