【中医協】廃用症候群の厳格化、推進すべきの声強く/中医協、各側とも
厚生労働省は、12月4日の中医協総会に、廃用症候群に対するリハビリテーションの算定について、次期診療報酬改定で適用を厳格化する方向性を提案した。診療側、支払い側ともに厳格化を進めるべきとの意見を示した一方で、診療側委員からは一律に規制することは問題とする声も上がった。
廃用症候群は脳血管疾患等リハビリのカテゴリーの一つ。厚労省は、脳血管疾患等リハビリを算定する新規患者数に対する新規廃用症候群患者の割合が5割を超える医療機関が41.7%を占めており、廃用症候群の算定回数が増加傾向になっている現状を報告。本来は疾患別リハビリを算定すべき患者が廃用症候群を算定していることが想定されるとした。こうした現状を打開するため、廃用症候群に対するリハビリを実施する場合には、それ以外のリハビリ料が適用にならない理由を記載する欄を評価表や実績報告書に設けることで、廃用症候群適用の厳格化を確保したいと提案した。
●解決に向け厚労省案で十分か「疑問」/診療側・安達委員
診療側の安達秀樹委員(日本医師会・社会保険診療報酬検討委員会委員長)は「今の審査においても多くの問題を含んでいる。外科手術や肺炎等で安静が続き、全体としては筋力低下などで廃用症候群が算定されているのが現状だ。果たして厚労省案だけで足りるのか」と疑問を示した。「例えば、肺炎で入院したら呼吸器リハビリを算定しろ、ということになるが、筋力低下などを防ぐことが主たる目的となると、呼吸器リハビリの要件には合わない。それを理由にして廃用症候群を取る。運動器リハビリに該当する部分があっても、運動器リハビリを届け出ていないので廃用症候群で算定するなどの理由が想定され、実質的には減らないのではないか」と指摘した。
これに対し厚労省保険局医療課の宇都宮啓課長は「ご指摘の点を含め、今後、具体的な要件について検討していく」と応じた。
支払い側の石山惠司委員(経団連・医療改革部会部会長代理)は「廃用症候群のチェックは様式を定めてきちんとやっていただきたい。点数自体を見直すべきだ。もちろん低くすべきではないか」と述べた。伊藤文郎委員(愛知県津島市長)も、是正の方向を目指すべきとした。(12/5MEDIFAXより)