【中医協】実調分析で対立、「改定率の意見」は難航模様/中医協総会
11月20日に開かれた中医協総会では、支払い側、診療側の双方が医療経済実態調査(実調)の結果に対する見解を示した。支払い側は、医療機関の経営は安定しており、医師の年収が増加していることを指摘。診療側は医療機関の経営は総じて厳しい状況にあり、医療法人では一定の給与を提示しないと看護職員などの採用が難しいことに言及した。11月下旬には両側から次期改定への意見を受けるが、実調の受け止め方が真っ向から対立する中、改定率を厚生労働大臣に進言するための議論は困難を極めそうだ。
支払い側は、一般診療所は安定した黒字経営ができており、一般病院については国公立を除いて安定的な黒字が続いているという見解を表明。赤字の公立病院も、補助金などを加えた総損益差額は黒字であるとした。
さらに、次回調査に向けた意見として、有効回答における公立病院の割合が実際の施設数に占める割合に比べて高いため、公立病院の影響が結果に大きく出たと分析。既存の計算方式以外に、全国の施設の構成比に応じた加重平均による全体値の算出も併せて公表すべきと求めた。
診療側は、一般病院全体の損益率は若干改善したが、依然赤字で引き続き厳しい状況にあると指摘。職種別の給与では、医師や看護職員の給与費が伸びたことから「処遇改善が進んでいるとも考えられる」と分析した。ただ、国公立と民間の格差は大きく、一定の給与を提示しないと採用が難しくなっている可能性があることに留意が必要とした。経営は依然として不安定であることが示されたとまとめている。(11/21MEDIFAXより)