【中医協】報告制度と診療報酬、整合性めぐり見解割れる/中医協総会  PDF

【中医協】報告制度と診療報酬、整合性めぐり見解割れる/中医協総会

 中医協総会(会長=森田朗・学習院大教授)は9月25日、導入に向けて厚生労働省医政局が検討している病床機能報告制度の分類と診療報酬上の評価について「全くイコールにはならない」とする支払い側と、双方の整合性を求める診療側とで認識が異なる現状が明らかになった。

 病床機能報告制度で医療機関が選ぶ区分は「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4分類で、亜急性期は入っていない。また、社会保障審議会の医療保険部会と医療部会の議論を基にまとめられた「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方」では、項目立てが「回復期(診療報酬上の亜急性期入院医療管理料等)」という記載となっている。

●「イコールではない」/白川委員
 支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「医療部会で議論されている4分類の病床機能報告制度は尊重されるべきだが、診療報酬上の機能区分とはイコールではない」との解釈を示した。白川委員は「『基本的な考え方』では“病期に応じて報告する病床の区分に合わせ議論を整理すべき”とされているが、医療部会で了承された医療機能4分類には亜急性期機能は入っていない。区分に合わせてということは、診療報酬の亜急性期入院医療管理料はおかしいと言っているのか」と疑問を提示。「報告制度を尊重しないといけないが、報告制度はあくまでも報告制度であり、診療報酬上の機能区分、手当とはイコールではない。事務局で確認してもらいたい」と述べた。

●診療報酬の先走りは現場が混乱/鈴木委員
 一方、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「病床機能報告制度は、地域医療ビジョンから地域医療計画に反映されるものであり、当然、診療報酬と整合性が取れないといけない。診療報酬で先走って進めることは現場を混乱させることになる」と述べ、亜急性期病棟など診療報酬上の対応について慎重な対応を求めた。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)も「今回の『基本的な考え方』の中で、回復期については中医協総会ではまだ了承していない入院分科会の中間まとめの内容が反映されているが、どういうことか」とし、分科会の中間まとめの内容を含めた入院医療に関する議論が中医協総会で必要と指摘した。

 厚労省保険局の宇都宮啓医療課長は「医政局の病床機能報告制度は、法改正を伴う制度としてつくられていくと理解している。14年4月の診療報酬改定に間に合うようなものではなく、診療報酬としては先立って、入院医療分科会の議論や前回診療報酬改定での急性期入院医療の検証を進め、14年の改定を行う」と説明。「ただ、医政局の報告制度も診療報酬改定も、25年の医療のあるべき姿を目指すものであり、(将来的に)整合性は取っていくべきだ。少なくとも現時点では完全に一致するものではない」との解釈を示し理解を求めた。さらに、厚労省は、入院医療については13年度調査結果の議論も含めて分科会の最終報告書を作成し、今後、中医協総会で議論してもらうと回答した。(9/26MEDIFAXより)

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