【中医協】厚労省案では「大病院に患者が集中」/長期投薬で安達委員
調剤報酬を議論した12月4日の中医協総会では、長期処方が行える程度に病状が安定した大病院の外来患者を地域の医療機関へ誘導するための対応策について、診療側の安達秀樹委員(日本医師会・社会保険診療報酬検討委員会委員長)が前回11月29日の会合に引き続いて反論した。
紹介・逆紹介率が低い大病院を対象に、投薬日数によって処方料、処方箋料、薬剤料を減算するという厚生労働省の提案に対し、安達委員は「患者にとっては該当する医療機関に行けば費用が安いということ。大病院に患者が集中することになる。(長期処方を制限するためには)療養担当規則を変えない限り問題は解決しない」と否定した。
厚労省は29日の会合で「特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院で紹介率50%未満かつ逆紹介率50%未満の病院」と「許可病床数が500床以上の全ての病院(精神科単科病院や療養病床のみの病院を除く)のうち、紹介率40%未満かつ逆紹介率30%未満の病院」を対象に、一部の薬剤を除き、原則として投薬日数により処方料などを制限することを提案した。
安達委員はその際、厚労省案に対し「有効なのか疑問だ。ディスインセンティブを付けても、長期処方に関わる外来担当医の処方行動はほとんど変わらない」として、療養担当規則の改正を求めていた。
調剤報酬をテーマにした4日の会合で、残薬の問題に絡めて前回と同様の厚労省案が示されたことを受け「医療機関の行動の変化を求めて診療報酬の規定を変えても、患者側からすると真逆の受診行動になる」と再び反対した。(12/5MEDIFAXより)