【中医協】初・再診は「12点・3点」増で決着/中医協・公益裁定
中医協総会は2月5日、消費税率8%への引き上げに伴い2014年度診療報酬改定で行う補填として、診療所では「初診料12点増、再診料3点増」とし、有床診療所の入院基本料を2%程度引き上げることに決めた。病院も初・再診で同じ点数を引き上げ、残りの財源で入院料を上げる。病院の場合、財源の約9割が入院に回る。歯科は「初診料16点増、再診料3点増」とし、調剤報酬は「調剤基本料1点増」とする。訪問看護療養費では「訪問看護管理療養費」を引き上げる。公益委員が裁定した。
ほぼ全ての補填財源を基本診療料に乗せる形だが、残りの財源が回される個別項目も決まった。医科診療報酬では「外来リハビリテーション診療料」「外来放射線照射診療料」「在宅患者訪問診療料」に補填財源が回る。歯科の個別項目は「歯科訪問診療料」で、調剤では「一包化加算」「無菌製剤処理加算」に上乗せする。
増税補填の在り方については、前回1月29日の総会で支払い側と診療側で意見が対立し、公益委員の裁定に委ねていた。公益裁定の結果は、基本診療料への上乗せを中心とし個別項目への対応は補完的に行うという厚生労働省案を支持するものだった。
森田会長は、今回の医療経済実態調査の結果などから、どの個別項目にどの程度上乗せするかを判断するのは困難だと指摘。実際に財源を回す個別項目については、基本診療料との関係上、上乗せしなければ不合理になると思われる項目を対象にすることが「現時点で取り得る最善の策」という公益委員の考え方を紹介した。「苦渋の決断の結果」とも表現した。消費税率が10%に引き上げられる際は「今回の対応を必ずしも前提とはせず、より適切な解決が図られるべき」とも述べた。
●公益裁定は「1号側を無視」/白川委員
結果について支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は「公益裁定のため受け入れざるを得ない」と認めつつも「双方の妥協点が探られる期待を込めて公益裁定をお願いしたが、内容は2号側の意見を100%採用し、1号側の意見を無視したものだ。こうしたことが続くと公益裁定に委ねることができなくなる」と不満をぶつけた。
ただ、「税率10%時は今回の対応を前提としないという点は賛成だ。非課税という現行の取り扱いが続くのであれば、今回の裁定を前提とすべきでない」とした。
診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「われわれも、消費税負担を診療報酬で見ることは本意ではない。1号側は不本意な結果だったと思うが、これは一時的な措置。税率10%時の抜本的対応に向け、一緒に前向きな議論を進めたい」と述べた。(2/6MEDIFAXより)