【中医協】優先事項、12年夏から本格検討/中医協
厚生労働省は3月28日の中医協総会(会長=森田朗・東京大大学院教授)で、2012年夏頃をめどに▽基本診療料▽消費税問題▽費用対効果▽長期収載品の薬価―の優先審議事項4本柱の検討を始めるとし、14年度診療報酬改定に向けた具体的な審議スケジュールを示した。保険局医療課は、基本診療料の在り方を診療報酬基本問題小委員会で検討することを提案し、委員の同意を得た。
12年度改定答申書の付帯意見では、初再診料や入院基本料など基本診療料の在り方についてコスト調査分科会報告書を踏まえて検討し、改定影響の調査・検証結果を今後の改定に反映させるとしている。これを踏まえて医療課は、基本問題小委の主な検討課題として▽基本診療料のコスト調査・分析の意義付け▽診療報酬の体系的見直し―を示した。委員構成の適正規模は4月中旬の次回総会で検討する。
基本問題小委では、12年度前半に基本診療料や既存調査などの基本的な検討目的を議論する。12年度後半には必要に応じて新規調査を実施する考えで、13年度から次期改定への反映を念頭に置いて議論を詰めていく。
基本問題小委の検討結果は必要に応じて中医協総会に報告し、最終決定する考えだが、鈴木康裕課長は「(14年度改定で)全てを整理するのは難しい」と述べ、14年度以降も引き続き基本問題小委で検討することになるとの見通しを示した。
●14年度改定で費用対効果を試行導入
薬剤・材料を含めて医療技術の費用対効果を評価する手法の導入についても検討する。医療技術評価分科会や薬価専門部会、材料専門部会といった既存の分科会・部会の委員と、外部の専門家で構成する「新たな検討の場(新審議体)」を設置し、費用対効果評価の導入の在り方を検討する。医療課は、12年度前半に中医協総会で医療技術の現状や課題、論点整理などを議論し、その上で新審議体でガイドラインを策定して評価の枠組みを設定するとの方向性を示した。12年度後半にはガイドラインを踏まえ、総会で対象技術や検討体制の具体案をまとめたい考えで、14年度改定では費用対効果の評価を試行的に導入する方針だ。(3/29MEDIFAXより)