【中医協】休日リハ、回リハ1への包括要件化に慎重論/中医協で診療側
厚生労働省は12月4日の中医協総会に、次期診療報酬改定での回復期リハビリテーション病棟入院料の見直しについて、入院料1の病棟の7割が算定している休日リハビリ提供体制加算を入院料1に包括して要件化する考え方や、専従医師や専従の社会福祉士を配置した場合に加算などで評価する案を提示した。
休日リハビリ提供体制加算は、入院料1を算定する病棟の70.9%が算定しているのが実態。入院料1への包括・要件化をめぐって、支払い側の石山惠司委員(経団連・医療改革部会部会長代理)は「算定していない病棟が29.1%もあるが、算定しないのはなぜか」と質問。中川俊男委員(日本医師会副会長)は「むしろ70.9%も算定しているという捉え方でお願いしたい。患者のニーズに応えるため対応していることを重視し、入院料1の施設基準として要件化するより、加算としてより評価していくべきではないか」と指摘した。
鈴木邦彦委員(日医常任理事)も「休日リハビリ提供体制加算の包括化については、点数の引き下げが懸念される。点数は下げるべきでない」とくぎを刺した。万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)も「70%を評価してもらいたい。要件化していくことは時期尚早」と述べるなど、診療側委員は休日リハビリ提供体制加算の包括化に慎重な対応を求める意見が強かった。
●専従医師の効果は不鮮明/鈴木委員ら
医師の専従問題については、鈴木委員が「医師の専従効果という点では、まだ(データが)不十分ではないか。単純に専従だから良くなったとは言えないのではないか。リハでの専従医と専任医の違いは何かを明確にしてもらいたい」と述べ、専従リハビリ医の実態を十分に把握できているのかと懸念を示した。万代委員は「回復期リハビリ患者の3割はなかなか改善しないとのデータもある。専従、専従と声高に言わなくてもいいのではないか」とした。
また、支払い側の伊藤文郎委員(愛知県津島市長)は「回復期リハビリでの専従の社会福祉士を評価するには医療職として一定の整理が必要ではないか」と提起した。厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓課長は「社会福祉士には、医療に精通し、退院支援などを進めているMSWが存在する」と説明した。
●早期リハの数値目標に賛否両論
中医協総会で厚労省はこのほか、早期リハビリの充実案として▽65歳以上の患者が一定割合以上の急性期病棟(7対1、10対1)に理学療法士等の専門職を配置した場合の評価▽専門職を配置した病棟(7対1、10対1)について「入院時に比べ退院時にADLが低下した患者の割合が一定程度以下」のような具体的な数値目標の要件化─を提案した。矢内邦夫委員(全国健康保険協会東京支部長)は「この方向性は重要な視点だ。導入すべきだ」と主張。これに対し鈴木委員は、数値目標などは慎重に対応していくべきとした。(12/5MEDIFAXより)