【中医協】介護人材の確保策で意見交換/厚労省事業の介護事業者懇談会  PDF

【中医協】介護人材の確保策で意見交換/厚労省事業の介護事業者懇談会

 介護人材の確保策について検討する厚生労働省「介護人材確保の推進に関する調査研究事業」の介護事業者懇談会が10月8日に開かれ、介護関連の13団体が意見交換した。出席者からは、2025年度に237−249万人とされている介護人材の必要数を確保できるか懸念する声も上がった。

 同事業は日本総合研究所が受託し、事務局を務めている。会合には厚労省老健局の原勝則局長ら幹部職員も出席した。同事業で具体的な議論の場となる検討委員会の委員も出席して意見を述べた。

 冒頭に挨拶した原局長は「地域包括ケアシステムの構築を目指して努力をしていかなければいけない。このシステムを作っていく上で大事なことは、サービスを提供する人材の確保」と述べ、地域包括ケアシステムのためにも介護人材の確保が重要課題になっていることを強調した。

 厚労省の推計値では、12年度に149万人の介護職員は15年度に167−176万人、25年度に237−249万人が必要になるとされている。意見交換では、全国特定施設事業者協議会の国政貴美子副代表理事がこれらの推計値に言及し、「他業種との競争力を持たないと、この数字が出せるとは思えない」と指摘。全国老人福祉施設協議会・介護人材対策委員会の河原至誓幹事も「事業者が人材を取り合っては、100万人は増えない。他職種から入ってくる人材を増やすことが一番大事」と述べた。外国人に門戸を開く必要性も指摘した。

 検討委員会委員を務める上智大の藤井賢一郎准教授は「目先の人数が足らないからといって、外国人に頼ろう、給料を上げようということをやって本当にマクロ的に大丈夫なのか」と懸念を示した。介護職の給与を上げて外国人が参入すれば、介護職は外国人が行う大変な仕事というイメージにならざるを得ないと指摘。誰でも行える仕事に給料を高く付けることは、労働市場でも無理があるとの見方を示した。

 厚労省老健局振興課の朝川知昭課長は、現状では介護人材が1年当たり7−8万人増えていることを指摘し、「現状のペースをいかに維持、向上できるかが重要」とコメント。ただ、若年層は減少している実態があることを踏まえ、「今までの対策だけでは不十分だと認識し、施策の充実を検討していく」と述べた。(10/9MEDIFAXより)

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