【中医協】「在宅」で議論、不適切事例の対応も課題/中医協総会  PDF

【中医協】「在宅」で議論、不適切事例の対応も課題/中医協総会

 中医協総会(会長=森田朗・学習院大教授)は2月13日、次期診療報酬改定に向け「在宅医療」について議論を開始した。厚生労働省保険局医療課は在宅医療の現況を説明するとともに、提供体制の地域格差や不適切な制度運用への対応について検討を求めた。前回の総会で議題となった「外来医療」と同様、出席委員に「在宅医療」についての自由な発言を求めた。保険診療の不適切な運用事例として▽患者の選択制限や過剰診療につながりかねない「診療の独占契約」▽本来の目的から外れた特別訪問看護指示書の交付─を指摘した。

 医療課は在宅医療の推進に向けた次期改定の論点として、在宅医療を提供する医療機関の量的確保に加えて、保険診療上の不適切な事例への対応や地域の実情に応じた対応が必要との考えを示した。

 課題としては、在宅医療提供体制の地域格差や、在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)の要件を挙げ、高齢者住宅との連携によって地域の実情に応じた在宅医療を推進する考えを示した。

 診療報酬算定をめぐる問題も指摘した。マンション居住者との診療の独占契約を結ぶ見返りとしてマンション業者が医療機関に収益の一定割合を要求したり、親族経営の高齢者用施設など特別の関係にある施設で短時間に多数の患者に訪問診療を行ったりする事例を示し、診療の独占契約によって患者の選択が制限されたり、過剰診療を招いたりしかねない不適切な事例があると指摘した。

 宇都宮啓医療課長は「サービス付き高齢者向け住宅」や有料老人ホームが悪いと言っているのではないと強調した上で「今後、在宅(医療)を進めていく上で、いかに不適切な事例をなくしていくかを合わせて考えていかねばならない」と述べた。

 また、訪問看護については、ニーズが拡大しているにもかかわらず看取り対応を含めた提供体制が十分ではないとの認識を示すとともに、特別訪問看護指示書の交付をめぐって不適切と考えられる事例が指摘されていると説明した。有効期間が14日間の特別訪問看護指示書が交付されている利用者について、訪問日数の分布を見たところ、14日と28日が特に多くなっていると指摘した。(2/14MEDIFAXより)

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