【中医協】「児童虐待」を診療報酬で評価、支払い側は疑問視/中医協  PDF

【中医協】「児童虐待」を診療報酬で評価、支払い側は疑問視/中医協

 中医協総会は11月29日、精神病床の機能分化推進に向けた次期診療報酬改定での具体策について議論した。厚生労働省は、総合病院精神科への評価や、児童虐待問題に対する診療報酬での評価などを提案。児童・思春期の精神医療の経験を有する精神保健指定医等が児童相談所などと連携しつつ、被虐待児の診療を行う体制を持つ医療機関を評価することを挙げた。

 支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は、精神医療を評価していく上で「中医協委員に精神科の専門家が入ったので、長瀬委員に直接聞きたい」とし、▽総合病院の精神科が減少している理由は何か▽多剤投与を欧米と比較すると日本が多いが、どのような取り組みをしているか▽社会的要因を除いて、長期入院患者の退院を阻む要因は何か―の3点を質問した。

 長瀬氏は「DPCが導入された一般病棟と比べて、精神科の収益性が低いことが、総合病院精神科が減少している要因ではないか。あるいは開業する医師の増加なども起因しているのではないか」と説明した。長期入院患者の退院については、地域でグループホームを設置することに住民の反対があるとし「社会復帰のための支援をお願いしたい」と述べた。白川委員も、地域包括ケアを構築していく上で行政を含めて対応していくことが必要とした。

 一方、児童虐待問題への診療報酬上の評価について白川委員は「さらに検討が必要だ」とした。花井圭子委員(連合総合政策局長)も「児童虐待問題は社会問題であり、診療報酬で評価することには唐突感がある。納得できる資料を出してもらいたい」とした。田中伸一委員(全日本海員組合副組合長)は、医療機関の診療で児童虐待を発見することはあるだろうが、発生予防などの観点は診療報酬と少し異なるのではないかと疑問を示した。(12/2MEDIFAXより)

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