【一括法案】医療・介護一括法案を閣議決定/政府
政府は2月12日、医療法や介護保険法などの改正内容を1本の法案にまとめた「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」を閣議決定した。
同法案には、医療分野の制度改正も多数盛り込まれている。主要なものだけでも▽病床機能報告制度の創設や地域医療ビジョンに基づく病床数の整備▽医療・介護サービスの提供体制を充実させるため都道府県に基金を創設する「新たな財政支援制度」▽医療事故調査制度の創設▽特定行為に関する看護師の研修制度▽持分なし医療法人への移行促進策―などが挙げられる。
田村憲久厚生労働相は閣議後会見で、「2025年に団塊の世代が75歳以上になる時期を目指して、新たな医療・介護の提供体制を組む上で大変重要な法案になる」と説明。医療分野については「今ある医療資源を適切に配分しないと、日本の医療自体が立ち行かなくなる状況が近づいている。7対1の病床をある程度減らし、慢性期病床や在宅、地域密着の中小病院で(患者の受け入れを)対応していかなければならない」と述べた。
また、地域包括ケアシステムを構築する必要性に言及する中で、主治医機能の重要性も強調した。
●医療事故調「信頼関係向上に期待」
医療事故調査制度の創設では、民間の第三者機関による調査委員会の設置が盛り込まれている。田村厚労相は、同制度創設の意義は▽亡くなった患者の遺族が納得できる▽起きた医療事故の検証と再発防止を図る―ことにあるとし、「調査委員会ができることで、患者・遺族と医療機関の信頼関係がより密接になることを期待している」と述べた。
自民党からは一括法案を含め、党への根回し不足を批判する声が相次いで上がっている。田村厚労相はこの点について「本当に申し訳ないと思っている。与党と十分に意見調整ができていなかったところがある。法律を作っていく過程で政府・与党は一体であり、ご意見を聞かせていただきながら、与党のそれぞれのポジションに法案をしっかりとかけていくプロセスを踏んでいきたい」と語った。
●難病・小慢対策の2法案も閣議決定
難病や小児慢性特定疾患患者への医療費助成制度を改める「難病の患者に対する医療等に関する法律案」「児童福祉法の一部を改正する法律案」の2法案も閣議決定した。(2/13MEDIFAXより)