【一体改革】社会保障・税一体改革法案が成立/国民会議設置へ、消費増税も  PDF

【一体改革】社会保障・税一体改革法案が成立/国民会議設置へ、消費増税も

 社会保障制度改革の基本方針を示した社会保障制度改革推進法案や、消費増税法案など、社会保障・税一体改革関連8法案が8月10日、参院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決・成立した。今後は法案に基づき、内閣に「社会保障制度改革国民会議」を設置して高齢者医療制度の在り方などを議論することになる。消費税率は社会保障の維持・充実を目的に、2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。

 成立したのは、社会保障制度改革推進法案と消費増税関連2法案のほか、年金関係2法案、子ども・子育て関係3法案の計8法案。午前中の参院「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」で賛成多数で可決され、午後の参院本会議で可決、成立した。

 関連8法案は、民主、自民、公明3党の修正合意に基づき6月26日に衆院を通過した経緯がある。社会保障制度改革推進法案は3党協議の過程でできたものだ。3党協議の実務者であり、推進法案の提出者の1人でもある民主党の長妻昭衆院議員は、取材に対し、一体改革関連法案の成立を「社会保障のために大きな一歩」と評価した。消費増税については「やむを得ない措置。国民生活に消費税の影響が少ない対策を施した上で、社会保障の安定化を図りたい」と述べた。

 同じく推進法案の提出者であり、3党協議の実務者でもある自民党の加藤勝信衆院議員も取材に応じ、「衆参合わせて200時間超の審議をした。やっと成立したという思いだ。行政改革や、社会保障制度改革推進法に基づいた社会保障改革をする約束を、名実共に負ったことになる」と語った。

●国民会議 長妻氏「人選まだ白紙」 加藤氏「新政権下で」
 社会保障制度改革は今後、国民会議に議論の舞台を移す。長妻衆院議員は「国民会議は最終的に総理が設置する。3党で意見交換しながら政府と討議し、なるべく早く、近いうちに設置する」と述べた。会議の構成員に国会議員を含めるかどうかは「まだ白紙。党内、政府内にいろいろな意見があるのは事実で、政府と相談して決める」という認識を示した。

 加藤衆院議員は「内閣に設置するので、政府から基本的なアイデアが出てくるだろうが、解散・総選挙後の新政権の下に設置するべき」という考えを示した。高齢者医療制度については「基本的には現行制度を基に考えていけばよい」と指摘した上で、制度を支えるために健保組合や協会けんぽの負担が年々拡大していることを問題視。「財源確保をした上で、公費負担割合の拡大を考えなければいけないと思っている」とし、高齢者医療制度への公費負担を、国民会議で議論したいテーマの1つに挙げた。(8/13MEDIFAXより)

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