【ワクチン】2ワクチンの定期接種化を了承/予防・ワクチン分科会  PDF

【ワクチン】2ワクチンの定期接種化を了承/予防・ワクチン分科会

 厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会(分科会長=岡部信彦・川崎市健康安全研究所長)は1月15日、水痘と成人用肺炎球菌の2ワクチンを2014年度中に定期接種化することを了承した。今後はワクチンの供給や自治体の準備期間、国民への周知期間も考慮し、10月の導入を目指して調整を進める。

 2ワクチンについては、同分科会の予防接種基本方針部会における技術的検討、総務省と財務省による地方財政措置の調整を経て、13年末には定期接種化のめどが立っていた。これまでの議論を踏まえ、水痘は主に集団予防に重点が置かれる「A類疾病」として、地方交付税で接種費用の9割を負担することになった。成人用肺炎球菌は個人予防目的に比重のある「B類疾病」で、地方交付税による負担は3割程度となる。また、おたふくかぜとB型肝炎、さらに、ロタウイルスのワクチンについて、14年度以降も技術的検討を行うことを確認した。

 議論では、10月からの定期接種化について、事務作業の時間を確保したい地方行政側と医療現場側によるせめぎ合いも見られた。水痘ワクチンの3−4歳児に対する経過措置(キャッチアップ)は、予算上の問題や早急な接種の必要性から14年度に限るとされており、実質的に半年の期間しかない。庵原俊昭委員(国立病院機構三重病院長)らにより「インフルエンザの予防接種・流行の時期とも重なり、子どもたちの接種が難しいのではないか。2−3カ月の前倒しはできないか」との意見も出されたが、「助走期間もある」(岡部分科会長)との判断から10月に落ち着いた。

 成人用肺炎球菌ワクチンの経過措置についても課題が残った。18年度までは5歳ごと(70・75・80・85歳など)に行うとされているが、90歳以上の超高齢者への適応については岡部分科会長と厚生労働省で結論を調整することになった。

 2ワクチンの定期接種追加に向け、厚労省は予防接種法の政省令を改正する。3月の同分科会副反応検討部会で副反応の報告基準について審議し、施行規則を改定する。4月から法令審査を行い、パブリックコメントを経て閣議決定し、7月の公布を目指す。(1/16MEDIFAXより)

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