【リハビリ】急性期後のリハビリ機能「特出しで重点化」/原医政局長
厚生労働省の原徳壽医政局長は5月18日、日本プライマリ・ケア連合学会が仙台市内で開いた学術大会で講演し、団塊世代が75歳以上になる2025年に向け、急性期医療後の病院でのリハビリテーション機能を特出しで重点化するとの考えを示した。
原局長は「高齢化が進めば進むほど脳卒中系統の病気が増えてくる。リハビリをしっかりすることが非常に重要」とした上で、「リハビリをして、できるだけ介護の手間が省けるように自立度を高めるため、早期からのリハビリや回復期のリハビリをしっかりやっていく必要がある。特出しをして重点化していく」と述べた。「急性期医療も含めた医療全体を新しい医療に変えていかなければ、とてつもなく増加する疾病に対応できなくなる」とも述べ、危機感を前提に医療提供体制改革に臨むとの姿勢を示した。
●地域包括ケアのキーパーソンは医師
原局長は「病院以外でも介護施設や居住系サービスの中にも医療が入っていかなければいけない」と指摘した上で、「地域包括ケアでもキーパーソンは医師」と述べた。その上で「介護サイド、福祉サイドの人がいくら頑張っても在宅ケアは完結しない。ほとんどの方が医療を必要としている」とし、「密度の差はあっても必ず在宅でも医療をどうやって提供するか。うまくケアができているところは病院や診療所が関わっていただいている」と述べた。「医者が(地域へ)出ていくという部分も必ず必要になってくる。それが一つのキーになる」と強調した。
●地域支援センターを全都道府県に
また、原局長は、地域の医師不足・偏在解消に取り組む地域医療支援センターを全国に増やす考えを示した。2013年度予算で地域医療支援センターを30カ所まで増やすことができると説明した上で「全都道府県に増やして、大学と協力しながら、技術習得の研修機会を与えるなども考える必要がある」と述べ、医学部の協力も得ながら、地域での医師養成体制の整備と合わせて医師不足・偏在解消に取り組む考えを示した。(5/21MEDIFAXより)