【マニフェスト】TPP交渉、国民皆保険は「必ず守る」/民主・政権公約  PDF

【マニフェスト】TPP交渉、国民皆保険は「必ず守る」/民主・政権公約

 民主党は11月27日、12月16日投開票の衆院選に向
けた政権公約(マニフェスト)を発表した。医療・介護関連の公約は素案の表現をほぼそのまま盛り込んだが、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に当たっては「必ず守る」と約束した対象に「国民皆保険」を新たに明記した。

 マニフェストは東日本大震災からの復興を最重要課題とした上で、社会保障や経済、エネルギー、外交・安全保障、政治改革の5つを重点政策に位置付けた。個別政策で数値目標の明記を減らし、党の理念を説明した内容が目立つ内容になった。野田佳彦首相は記者会見で「数値を細かく規定することで、逆にそれが“縛り”になって柔軟性に欠ける部分があった」と述べ、政策実現の現実性を直視した結果であると説明した。

 TPPはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現を目指し、日中韓自由貿易協定(FTA)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と同時並行的に進めるとの従来の表現に、新たに「政府が判断する」と書き加えた。また、国益の確保を大前提とした上で、「必ず守る」とした対象に「農業」「食の安全」「国民皆保険」を掲げて慎重派に配慮した。

 医療・介護関連の各政策は、素案とほぼ同じ内容が盛り込まれた。救急・産科・小児科・外科など地域の医師不足対策に引き続き取り組み、質の高い入院医療が受けられるようにすることや、予防接種の充実などに取り組む。高額療養費制度は長期間の治療をする患者の負担軽減を図る。高齢者医療制度は後期高齢者医療制度を廃止して都道府県が国保の財政運営を担う「民主案」について、社会保障制度改革国民会議の議論を経た上で実現を目指す。介護は在宅医療・介護の提供体制を整備し、特に認知症の人と家族への支援を充実すると明記。介護報酬改定などで労働者の賃金を引き上げ、人材確保に努める。

 消費税率引き上げによる増収分は全て社会保障財源に充て、給付の重点化に取り組みながら毎年の自然増分を確保することも明記した。(11/28MEDIFAXより)

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