【マニフェスト】診療報酬は充実、「救急医療基本法」も/公明党マニフェスト
公明党は次期衆院選のマニフェストで、産科・小児科・麻酔科などの医師不足解消のため、診療報酬を充実することを打ち出した。救急医療の基盤強化を盛り込んだ「救急医療基本法」の制定も急ぐ。消費増税の関連事項では、税率が8%に引き上がる段階からの軽減税率導入を目指す。
公明党は11月17日にマニフェスト(衆院選重点政策)を発表した。「7つの日本再建」と銘打ち、社会保障や震災復興、経済政策など7つの柱と具体策を記載している。
医師不足では診療報酬の充実だけでなく、医師の養成体制や派遣システムの強化なども行い、不足地域の解消に取り組む。救急医療基本法には、ドクターヘリの全国配備や災害時の対応などを盛り込むとした。
医療関係ではこのほか、がんや難病対策の強化・拡充や再生医療の推進に言及。ワクチン助成の充実も記載した。高額療養費制度は年間上限額を新設するほか、70歳未満で年間所得300万円以下の世帯について、医療費負担の上限額を現在の月約8万円から約4万円に引き下げる。国保と協会けんぽは「国民皆保険を支えている」と位置付け、公費投入を拡大して財政強化を図ることも掲げた。
介護の関連では、在宅支援サービスの強化や介護従事者の処遇改善をするために、新たな基金を創設すると明記した。介護保険を利用せずに暮らしている65歳以上の高齢者に対し「お元気ポイント」を導入し、介護保険料を軽減する仕組みづくりもする。
マニフェストではこのほか、うつ対策や子育て施策なども取り上げている。
医療を新たな成長分野と見なして重点的な投資をし、健康・医療産業で経済成長を目指す方針も示した。日本発の革新的新薬が生まれるよう研究開発を促進し、創薬ベンチャーの育成も図る。バイオマーカーを用いた予防医療を進めるほか、先端医療の研究や実用化の促進に必要な法整備もする。
●TPPは「国会に審議の場を」
環太平洋連携協定(TPP)問題については「十分な国民的議論も、国益に関するコンセンサスもできていない」と指摘。農業だけでなく、医療や保険など国民生活に幅広い影響を及ぼす問題のため「国会に調査会もしくは特別委員会を設置し、十分に審議できる環境をつくるべき」という表現にとどめている。(11/21MEDIFAXより)