【フランス】社会保障の財源、仏の拠出金制度を提案/坂口元厚労相ら
元厚生労働大臣の坂口力氏が代表を務める「市民の目線で医療と介護を考える会」は11月25日、今後の医療・介護制度や財源について考察した中間報告を田村憲久厚生労働相に提出した。フランスが社会保障を支えるために実施している「一般社会拠出金(CSG)」制度を日本に導入するよう提言している。提出後に記者団に応じた坂口氏は「政府として言いにくいことも、われわれは発言していく」と述べた。
中間報告で提言したフランスのCSG制度は所得に対して課す税制で、付加価値税(消費税)とは異なる。中間まとめによると、フランスでの税率は労働所得の7.5%、投資所得・資産所得の8.2%など。坂口氏は「フランスはこの財源を医療や年金に使っている。1−2%から開始して現在の税率に至った。もう消費税を上げられずに窮余の策として導入したのだろう。日本では消費税率はせいぜい15%くらいまでしか上げられないという人もいる。その後の財源を考える時期が来ている」と記者団に語った。
地域医療計画に法的拘束力を持たせることや、公立病院の再編、保険医の登録制の在り方なども重要なテーマとした。急性期医療へ医療資源を集中投入して平均在院日数を短縮したり、在宅医療・介護を推進する方向に沿って診療報酬・介護報酬の体系的な見直しをすべきとも提言。高齢者医療制度と介護保険制度の一体的な見直しも求めた。(11/26MEDIFAXより)