【スプリンクラー】有床診と小規模病院は同時に義務化/スプリンクラー設置で消防庁
総務省消防庁は3月27日、「有床診療所火災対策検討部会」の名称を「有床診療所・病院火災対策検討部会」に変えた上で、有床診療所と延べ面積3000平方メートル未満の小規模病院の消防設備基準を同時に見直す意向をあらためて示した。消防庁は、有床診では義務化を免除する診療科などを定める意向だが、小規模病院については診療科で区別するのは困難との見解を示した。現行は3000平方メートル以上の病院に設置義務がある。
●全病院義務化「地域医療に影響大」/日医・藤川常任理事
藤川謙二委員(日本医師会常任理事)は、3000平方メートル未満の小規模病院にも義務化を拡大した場合は「対象は約5000病院になる」として「地域医療への影響が大き過ぎる」と指摘。日医として200床未満の病院を対象に調査を実施すると表明し「4月中にまとめるので待ってほしい。現場も見た上で議論してほしい」と求めた。
安藤高朗委員(四病院団体協議会)は、義務化の場合、既存施設への金銭的援助は不可欠とした上で「厚生労働省が現在確保している101億円だけでは足りない。継続的な補助金確保が担保されていない状況では、不安が広がるばかりで地域医療の崩壊につながりかねない」と懸念を表明。「十分な経過措置を設ける前提で、免除する範囲もきちんと議論すべき」と訴えた。
消防庁は次回以降の会合で病院の消防設備基準の見直しについて集中的に議論する方針を示した。
●設置面積1000平方メートル未満なら簡易型でOK
消防庁は、手術室などスプリンクラー散水口の設置が免除されている部分を除く延べ床面積が1000平方メートル未満の場合は、簡易な仕組みで水圧も低い「水道連結型スプリンクラー」の設置でも差し支えないとする案も示した。ただし、手術室など除外部分の延べ面積は施設全体の延べ面積の半分以下でなければならない。さらに、除外部分とそれ以外の部分は準耐火構造の壁と床で防火区画し、開口部には防火戸か防火シャッターの設置を求めるとした。(3/28MEDIFAXより)