「2200億円削減」の撤回は評価/健保連、政府予算編成で見解
健保連は7月2日、2010年度政府予算編成に関する見解を発表した。10年度予算の概算要求基準(シーリング)で社会保障費2200億円の削減が行われないことを評価した。一方、「骨太の方針09」については「歳出改革を継続するとし、削減に含みを残したもの」と指摘。これまでの一律的な歳出削減で「社会保障制度に歪みが生じている」とし「政府は社会保障機能を強化する意思を国民に示すことが必要」と主張した。
医療保険分野での10年度予算については、前期高齢者への公費投入を最優先して行うほか、急性期入院医療と産科・小児科・救急医療などに財源を重点的に配分すべきとした。
また、08年度からの高齢者医療制度の実施に伴い「健保組合の支援金などの負担が急増した」と指摘。09年度の健保組合予算は前年度に引き続き6000億円を超える赤字で、赤字組合の割合は92%に達するなど「健保組合の存立自体が危機的状況にある」と主張し、前期高齢者への公費投入と、健保組合に対する財政支援の大幅増額を求めた。
社会保障制度の再構築に当たっての財源確保については「中期プログラムの方針に沿って、消費税を含む抜本的な税制改革を進めるべき」とした。(7/3MEDIFAXより)