「2200億円」見直し含め検討/財政審の西室会長、6月の建議に向け
財務省の財政制度等審議会は4月21日、財政制度分科会・財政構造改革部会を開き、6月にも公表する建議の策定に向けて社会保障制度をテーマに議論した。西室泰三会長は会議終了後の記者会見で、社会保障費の自然増2200億円削減問題について「もう一度、リアリスティックに2200億円削減だけを金科玉条とすることが正しいのか論議せざるを得ない」と強調。医療現場の実情を踏まえ、削減見直しを含めて検討する考えを示した。財政審は今回を含め3回にわたって社会保障全般について議論する。西室会長は「今回の建議では、社会保障が重要という認識がある」と述べた。
西室会長は、2200億円削減問題について「小泉政権の5年間で、1.1兆円(毎年2200億円)削減することができたので、今後もやったらどうかということで出てきたもの」と解説。「現実問題、国民の安全・安心を考えると、ミニマムはここまでやらないといけないという計算を社会保障国民会議で検討した。その実現を考えるのは行政として必要なことだ」とも述べた。
同日の会合では、医師の偏在問題についても議題に上がった。ある委員はドイツを例に挙げて「国を12に、診療科を14に分けてそれぞれ定員を定め、10%を超えると開業しないように指導するシステムがある」と紹介。偏在解消に向けて、ドイツの実例を詳細に調べた上で検討する必要があると提案した。(4/22MEDIFAXより)