「2200億円」撤廃で大同団結/国民医療推進協議会

「2200億円」撤廃で大同団結/国民医療推進協議会

 社会保障費の自然増を毎年2200億円ずつ削減する政策の撤回を求めるため、国民医療推進協議会は7月24日、「地域医療崩壊阻止のための総決起大会」を東京都内で開いた。2009年度予算の概算要求基準(シーリング) の閣議了解を目前に控え、全国から1200人の関係者が駆け付けたほか、国会議員も35人出席し「社会保障費の年2200億円削減撤廃」を決議した。唐澤祥人会長ら推進協議会幹部は、できるだけ早期に政府関係者や与党国会議員らに決議文を提出し、シーリングでの2200億円削減の撤廃を訴える考えだ。

 同日の決起大会で採択された決議文では「長年にわたる社会保障費の伸びの抑制が、医療崩壊を顕在化させたことは明らかだ」と指摘。「国民が安全で安心な医療を受けられるための確固たる医療提供体制の再構築には、適正な社会保障費の確保が必要不可欠だ」とした。その上で決起大会参加者の総意として2200億円の削減撤廃を求めた。

また、出席した自民党の尾辻秀久参院議員会長は、「このままでは日本の医療が崩壊するというのは、みんな分かっている。もう半分くらい崩壊しているかもしれない」と述べ、社会保障費の伸びを毎年2200億円削減する政策は撤廃すべきとの考えをあらためて強調した。

 尾辻会長はまた、「収支のバランスが崩れていることは事実だ」と指摘。支出を抑制することで帳尻を合わせるのはもう無理だとの認識を示しながら「『入る』ことを考えなければならない」と強調した。その上で「本音を言えば消費税を上げるしかないと思っているが、これは十分な議論が必要なので、せめてたばこ税だけでも上げさせてもらいたい」と述べ、消費税の前にたばこ税の増税を図るべきとの考えを示した。「骨太の方針08」については「アクセルとブレーキが両方ついている」と指摘。初めて医師不足を認めたことを評価しながら「このアクセルを踏み続けていこうと思う」と述べた。

 一方、自民党の津島雄二税調会長は「日本の高齢化社会の構造は、毎年約2兆円ずつ新しい歳出が必要だ」と説明。「高齢化という素晴らしい歴史の成果に、それだけの金額がかかるならば、皆が納得して分かち合うということだ」と述べた上で、「それを毎年2200億円ずつ、ちまちまやっていて、どう解決できるというのか」と疑問視した。その上で、年末の税制改正や予算編成に向け、国民が安心できる医療制度をつくるための改革をすべきと訴えた。

 自民党の鈴木俊一社会保障制度調査会長は、23日に厚生労働部会と社会保障制度調査会、雇用・生活調査会の合同会議で「09年度概算要求基準(シーリング) に関する決議」を採択したことを報告。「実現には政府・与党一体となって、腰を据えて取り組んでいかなければならない」と述べた。

 また、公明党の太田昭宏代表の代理として出席した福島豊社会保障制度調査会長は「(シーリングまでの) 数日間が大事だ。関係者の熱意を政府にしっかりと伝え、最後まで努力する」と述べた。(7/25MEDIFAXより)

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