「2200億円」のシーリングを閣議了解/政府
政府は7月29日の臨時閣議で、医療・介護・年金などの社会保障費の自然増2200億円削減などを盛り込んだ2009年度予算の概算要求基準(シーリング)を了解した。一般歳出の上限額は47兆8000億円(うち年金・医療などの経費21兆6000億円)。予算配分の重点化促進へ、公共事業関係費などを圧縮して3300億円程度の「重要課題推進枠」を設定。医師不足対策や成長力の強化など、緊急性が特に高い事業に充てる。
厚生労働省大臣官房会計課によると、自然増8700億円の内訳は医療が3000億円台半ば、年金が3000億円強、介護が1000億円弱、その他が1000億円弱。自然増については、8700億円から2200億円を削減し、6500億円に伸びを抑制する。ただ、税制改正議論の中で新たな安定財源が確保された場合、自然増削減額は2200億円から減少する可能性もある(政策解説資料1)。
基礎年金国庫負担割合の引き上げや後期高齢者医療制度の見直しなどの経費は、シーリングの別枠として対応する事項とした。
財務省は、重点課題推進枠として、医師不足への対応のほか成長力の強化や低炭素社会の構築などを想定しており、各省が概算要求段階で3300億円の枠を奪い合うことになる。(7/30MEDIFAXより)