「8.5割軽減」継続、130億円を補正で対応/与党・高齢者制度PT
与党の高齢者医療制度に関するプロジェクトチーム(PT)は4月3日、高齢者医療制度の見直しに向けた「基本的な考え方」をまとめた。所得が低い被保険者が支払う保険料について、2009年度も8.5割軽減を継続すると明記。保険料軽減に必要な費用は130億円と見積もり、政府が検討を進めている09年度補正予算に盛り込む方針を示した。
「基本的な考え方」は、年齢区分の見直しについて「65歳で区分するなど年齢区分を見直す方向性について、安定的な財源の確保と併せ、費用負担の在り方や国保との運営の一元化を含めた抜本的な見直しを検討する」とし、都道府県単位で国保と統合するとした舛添要一厚生労働相の「私案」にも一定の配慮をみせた。
費用負担の在り方については、健康保険組合などの負担を重くしている前期高齢者医療に公費を投入。拠出金の分担方法も見直すことで、財政状況の厳しい健保組合などの負担軽減を図る方針を示した。健保組合に対する財政支援の拡大についても、補正予算で対応する方向で検討を進める。
医療サービスに関しては、「後期高齢者診療料」や「終末期相談支援料」など、75歳以上の高齢者に限定されている診療報酬項目の見直しに言及。「後期高齢者」や「終末期医療」などの名称に関しても、高齢者の心情にそぐわないとして見直す必要性を指摘した。
受診率向上を図る観点から、現行では努力義務としている75歳以上の特定健診について、保険者の実施義務に変更するとした。70−74歳が支払う窓口負担の2割への引き上げを凍結したことについては、年末までに結論を出す。
「大臣私案」について舛添厚労相は、3日の閣議後の会見で「1つの考え方。被用者保険加入の継続など一部分は(与党の見直し案に)入る。党の中でも大臣の私案の方がよいとの議論もある」とし、さらに詰めた議論が必要と指摘した。(4/5MEDIFAXより)