「70−74歳の2割引き上げ」支持/高齢者団体、医療保険部会で  PDF

「70−74歳の2割引き上げ」支持/高齢者団体、医療保険部会で

 社会保障審議会・医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)は10月26日、社会保障・税一体改革成案に盛り込まれている「患者負担の見直し」について審議した。テーマは▽70−74歳の自己負担割合の見直し▽医薬品に対する患者負担を市販医薬品の価格水準も考慮して見直す―の2点。

 70−74歳の高齢者の自己負担割合は、法律では2割負担と定められているが、現状では1割負担のまま据え置かれ、残りは予算措置で対応している。意見交換では、保険者側が「2割に引き上げ」を主張。診療側は「1割のまま据え置くべき」とし、意見が割れた。高齢者団体の委員は「法令通りに2割引き上げ」を主張した。

 川尻禮郎委員(全国老人クラブ連合会理事)は「法律で決めたからには2割に進めるべきではないか」と主張。樋口恵子委員(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)も個人的な意見とした上で引き上げを支持し、「なぜ70代前半の議論がここまで進まないのか」と疑問を呈した。70−74歳の自己負担割合については引き続き医療保険部会で議論する。

●医薬品患者負担見直しは「反対」の声
 市販品を考慮した医薬品の自己負担割合の見直しについては、安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)が「日本の制度に取り入れるべきではない」と反発した。理由として▽患者に説明しづらく、分かりづらい体系になる▽日本の患者負担は小さくない▽安全・安価な薬剤を選択しづらくなり、かえって高額な薬剤が増え、医療費が増加する―の3点を挙げた。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)も患者の負担増に反対した。支払い側からも特段の意見は出なかった。この問題も継続審議となる。(10/27MEDIFAXより)

ページの先頭へ