「24時間」「複合型」など推進に57億円/老健局予算案
2012年度の厚生労働省予算案で、老人保健福祉関係は11年度比1321億円増の2兆4273億円となった。うち老健局計上分は同1234億円増の1兆9658億円。在宅療養を支える医療と介護の連携拠点整備やネットワークづくりを目指す2つの新規事業のほか、訪問看護の充実、東日本大震災への対応分も盛り込んだ。
新規事業の「在宅医療・介護の推進」には57億円を計上。12年度からスタートする24時間型サービスや、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせる複合型サービス、訪問看護ステーションの大規模化、同サテライト型事業所の開設を推進する。また、低所得高齢者の住まい対策として、小規模養護老人ホームや都市型軽費老人ホームなどの整備も進める。
新規の「地域ケア多職種協働推進等事業」には7.7億円を計上。医療・介護などの多職種連携機能の強化として、地域ネットワークの構築や地域ケア会議を運営する人材、地域保健を担う医師、保健師、管理栄養士、OT、PTなどの人材確保を支援する。
このほか、訪問看護の充実に2.2億円、東日本大震災への対応として介護保険制度の利用者負担減免等の特別措置44億円(他局計上分2億円含む)も盛り込んだ。
●介護基盤緊急整備等臨時特例基金の期限を12年度末まで延長
厚労省は「介護基盤緊急整備等臨時特例基金」の実施期限を12年度末まで延長(被災10道県は既に延長済み)する。新たな積み増しはなく新規の予算計上はないが、老健局によると、11年9月に実施した各自治体への聞き取り調査の結果、11年度末の同基金残高が600億円程度になる見通しであるため、これを活用する。新たに、12年度からスタートする「24時間型サービス」と「複合型サービス」の整備にも充てられるようにする。同基金は、地域密着型の特養やグループホームの整備費として09年度にスタートし、11年度末で終了予定だった。(12/26MEDIFAXより)