「非営利HD型法人」創設へ 名称は地域医療連携推進法人制度 医療法が改定  PDF

「非営利HD型法人」創設へ 名称は地域医療連携推進法人制度 医療法が改定
 
 安保法制で国会が荒れる最中の9月16日、参院本会議で「医療法の一部を改正する法律案」が自公等の賛成で成立した。同法は非営利ホールディングカンパニー型法人制度と称されてきた医療・介護分野の「メガ事業体」を「地域医療連携推進法人」の名称で設立可能とするもの。同法は2年以内に施行。
 
 地域医療連携推進法人は一般社団。都道府県知事の認可で設立可能である。社員は医療機関を開設する医療法人等の非営利法人に加え、介護事業等の地域包括ケアシステムの構築に資する事業を行う非営利法人も対象。法人の事業範囲は都道府県が地域医療構想に定める構想区域(≒二次医療圏)を基本とし、新法人の策定する「統一的な連携方針」の下に傘下法人が川上から川下まで事業展開する。なお、成立に際し、新法人の代表は医師・歯科医師とする等の付帯決議が全会派一致で採択された。
 
 同法の目的は大きく二つあると考えられる。
 
 一つは、地域医療構想に定める2025年の「機能別必要病床数」をめざす病床機能分化が、病院間の利害対立に対するホールディング内での「調整」によって、スムーズに進められるように複数法人を糾合すること。もう一つは、医療・介護を経済成長の具に変える手段である。もとより、この構想は安倍政権の成長戦略で強調されてきた。
 
 新法人には大学病院も参加できる方向といわれる。これにより成長戦略の柱である医療イノベーションを担う大学病院が、必要な臨床データ提供、世界最先端の臨床研究開発に資する人材の集約といった役割を果たし、その財源は同一法人内の別医療機関が一般医療から捻出することが可能となる。
 
 法成立に乗じた巨大法人設立が地域でどの程度の規模、範囲で模索されているかは不明である。一方で新たな専門医の仕組みの始動に伴う、「研修施設群」構築という角度からの医療機関グルーピングが進むことも予想され、メガ法人創設問題を中心に、提供体制改革は大きく動くと見なければならない。(詳報は次号以降に予定)
 
厚生労働省「医療法人の事業展開等に関する検討会」取りまとめより

 

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