「非営利徹底型一般社団を目指す」増加/都道府県・地区医師会
公益法人制度改革に伴う新法人への移行について、全国の都道府県医師会の中で「非営利徹底型一般社団法人」を目指す医師会が増加していることが分かった。日本医師会の12月22日の定例会見で、今村聡常任理事がアンケート結果を公表した。
2009年10月に続き、2回目のアンケートを行った。
10年10月時点での対応を都道府県医師会と郡市区医師会に聞いた。全都道府県医師会が回答し、郡市区などの医師会は892団体のうち654団体(回答率73.3%)が回答した。
公益社団法人を目指すとした都道府県医師会は13団体で09年と変わらなかった。一方、非営利徹底型一般社団法人を目指すとしたのは10団体で、前回調査から4団体増加していた。非営利徹底型一般社団法人に移行した後、公益社団法人を目指すとしたのは5団体で前回の調査より1団体減少した。検討中としたのは19団体だった。
非営利徹底型一般社団法人を目指す理由では「公益認定取り消し時に財産を失うリスクがある」「公益社団法人になるメリットを感じない」「継続して公益認定基準を満たせるか不安」などの意見が多かった。
郡市区などの医師会では、46団体が公益社団法人を目指すとし、非営利徹底型一般社団法人を目指すとしたのは367団体。非営利徹底型一般社団法人に移行した後、公益社団法人を目指すとしたのは35団体だった。
非営利徹底型一般社団法人は、一般社団法人の中でも非営利性を徹底している場合や、共益的事業を中心として一定以上の非営利性を確保している場合に該当する。NPO法人などと同様に、収益事業以外の所得には課税されない優遇措置がある。
●公益目指す理由、母体保護法対応が最多
公益法人制度改革に基づき改正された母体保護法では、人工妊娠中絶を行うことができる医師の指定は「都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会」が行うとされている。都道府県医師会が公益社団法人を目指す理由でも「母体保護法に規定されている医師の指定権者であり続けるため」と回答した団体が9団体と最も多かった。
非営利徹底型一般社団法人を目指す都道府県医師会が増えていることから、今村常任理事は「非営利徹底型一般社団法人の医師会でも指定権者となれるよう要望していきたい」と述べた。(12/24MEDIFAXより)