「自身、身内に医療事故」1割超/厚労省がネット調査
厚生労働省が実施したインターネットのアンケート調査によると、自分や身内が医療事故に遭ったことがあるという人が1割を超えた。厚労省が11月28日に開いた医療安全推進週間シンポジウムで発表した。厚労省が一般国民を対象とした医療安全の意識調査をインターネットで行うのは初めて。
調査は10月15日から11月8日まで、一般国民を対象にインターネットで医療安全について聞いた。回答数は664件。医療を受ける人からの回答は353件、医療提供者からの回答は311件だった。
自身や身内の方が医療事故に遭ったことがあるかどうか聞いた質問では「はい」が98件、「いいえ」が566件と「はい」と回答した人の割合が全体の15%となった。医療を受ける人で「はい」と回答した人は12%、医療提供者では18%で、医療提供者の方が割合が高かった。
「医療事故の解決方法は、訴訟による手段が最も適切か」との質問では、「はい」という回答が全体で91件(14%)にとどまり、多くの回答者が訴訟以外での解決を望んでいることが分かった。
また、「地域に安心して家族や知人を任せられるような病院があるか」という質問では、「はい」が364件(55%)、「いいえ」が300件(45%)と半数に近い人が任せられる病院がないと感じていた。
結果についてシンポジストからは「全体の回答数が少なすぎる」「医療事故の定義が不明確」「地域性を考慮すべき」など、調査そのものに対する意見が多く寄せられた。(12/1MEDIFAXより)