「臨床研究中核病院」、医療法へ位置付けで一致/社保審・医療部会  PDF

「臨床研究中核病院」、医療法へ位置付けで一致/社保審・医療部会

 厚生労働省の社会保障審議会・医療部会(部会長=齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)は11月17日、国際水準の臨床研究を実施する「臨床研究中核病院(仮称)」を医療法に位置付ける方向で一致し、齋藤部会長は厚労省に対し「前向きに検討していただきたい」と述べた。

 現在の日本において、治験(企業治験、医師主導治験)以外の臨床研究はG C P(Good ClinicalPractice、医薬品の臨床試験の実施の基準)が適用されず、「臨床研究に関する倫理指針」が適用されている。倫理指針はGCPと比較し信頼性保証に関する規定が厳格ではなく、薬事承認申請データとして利用できない問題がある。また、▽難病や小児疾患など医師主導治験が必要とされる領域で医師主導治験が十分実施できていない▽既存の医薬品・医療機器の効果を最適化する臨床研究が十分実施できていない―などの課題も指摘されている。

 厚労省は、臨床研究に関する課題解決に向け、国際水準(ICH―GCP準拠)の臨床研究を行う「臨床研究中核病院(仮称)」を医療法に位置付ける方針を提案。また、「臨床研究中核病院(仮称)」の整備を進めるため▽予算事業による整備(2012年度予算要求中)▽研究費の優先配分▽「治験以外の臨床研究」から得られたデータを薬事承認審査に活用▽先進医療の申請で実施実績を満たさなくても、臨床研究中核病院で安全・有効に実施できると確認できた場合、先進医療の実施を認める取り扱いでの特例―などの方策が考えられるとした。

 委員は厚労省の提案に賛成、医療法に位置付ける方向で一致した。議論の中で、邉見公雄委員(全国自治体病院協議会長)は「人材や資金の分散は良くない。集中投資が必要。ナショナルセンターや橋渡し研究を実施しているような施設で重点的に実施すべき」とした。また、日本看護協会が養成している治験コーディネーターや薬剤師の活用を求める意見も上がった。(11/18MEDIFAXより)

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