「総合周産期」返上を打診/愛育病院、医師確保困難で
東京都から早産などハイリスクの妊産婦を24時間体制で受け入れる「総合周産期母子医療センター」に指定されている愛育病院が、複数の医師による当直が困難なことなどから、都に指定の解除を打診したことが3月25日、都や病院への取材で分かった。愛育病院は必要な医師数が少なくて済む「地域周産期母子医療センター」への指定見直しを希望し24日、都に意向を伝えた。都は医療体制に大きな影響が出るため、病院側と協議している。愛育病院によると、15人の産科医のうち3人が子育てなどのため夜間勤務ができないという。
3月中旬、三田労働基準監督署は労働基準法に基づく労使協定(36協定)を結ばず、医師に長時間労働をさせていたとして、是正を勧告。これを受け病院側は「各医師に法定の労働時間を守らせると、医師2人による当直は難しい」(中林正雄院長)と判断した。
都の基準では、「総合」は新生児集中治療室(NICU)などを備え、24時間複数の産科医が勤務することが必要。一方「地域」では夜間、休日での複数医師勤務は求められていない。
都は、愛育病院を含む9病院を「総合」に、14病院を「地域」にそれぞれ指定。都内を8ブロックに分けているが、都は「愛育病院のブロックに総合は1つしかない。ほかの病院がすぐ代わりを務めることも難しい」と困惑している。愛育病院が取り扱う分娩数は年間約1800。【共同】(3/27MEDIFAXより)