「社会保障給付は削減しない」/財政健全化で厚労相
政府・民主党の一部で財政健全化を主張する声が高まっていることに関連し、長妻昭厚生労働相は5月17日の参院決算委員会で、「社会保障の給付は削減しない」と述べ、歳出削減が必要になっても社会保障給付は抑制しない考えを明らかにした。又市征治氏(社民)の質問に答えた。
財政健全化をめぐっては、菅直人財務相が5月11日、2011年度当初予算の新規国債発行額を、10年度当初の44.3兆円以下に抑制すべきとの見解を表明。参院選のマニフェストを検討している民主党と政府の委員会でも、こうした方針を容認し、マニフェストに盛り込む歳出項目を検討することを確認している。長妻厚労相は「制度に潜む無駄や、事務経費、発注・契約の方法などで削減をする必要がある」とし、「自然増を機械的に2200億円削った前政権がこれだけ批難を受けたので、われわれはそれはしない」と述べた。
又市氏は、菅財務相の見解について、「確かに赤字は少ないに越したことはないが、財政再建それ自体が目的化すると、極端なことを言えば何もやらないということになる」と指摘した。(5/18MEDIFAXより)