「療養病床22万床」了承、財政効果は1200億円に
/自民・医療委員会
自民党・社会保障制度調査会医療委員会は8月5日、2012年度末に療養病床を約22万床とする厚生労働省の方針を了承した。療養病床再編に伴う財政効果は、当初計画の約15万床で社会保障給付費3000億円減を見込んでいたが、約22万床を存続することで約1200億円にとどまる。
療養病床再編をめぐっては、同党の「療養病床問題を考える国会議員の会」が7月、福田康夫首相らに介護療養病床廃止の撤回を求めていたが、同日の医療委員会では、介護療養型老人保健施設などへ転換する方向性をあらためて確認した。厚労省は公明党の了承を取り付けた上で、8月中に都道府県の目標数などを踏まえた医療費適正化計画をまとめ、パブリックコメントを募集する。
厚労省は当初、全国で約35万床ある療養病床を約15万床まで減らす方針を示していた。しかし、現時点で医療費適正化計画を策定済みの44都道府県の目標数を積み上げると、12年度末の目標数は約21万床に上ることが判明。残り3県(新潟、奈良、佐賀)を含めると療養病床は約22万床になると試算し、同日の医療委員会に提示した。
さらに、療養病床再編に伴う財政効果についても見直した。約15万床に削減した場合、給付費約3000億円減(医療費4000億円減、介護費1000億円増) を見込んでいたが、約22万床とした場合、約1200億円減(医療費200億円減、介護費1000億円減) となる。(8/6MEDIFAXより)