「療養病床との連携必要」が大勢/
日本慢性期医療協、3次救急病院を調査
日本慢性期医療協会(日本療養病床協会が7月に名称変更) は9月18日、3次救急医療機関の指定を受けている病院を対象に行った療養病床との連携に関するアンケート調査の結果を発表した。同日の記者会見で武久洋三会長は「多くの病院が療養病床とさらに強い連携を求めていることが分かった」とし、10月以降、急性期病院と療養病床を持つ病院との「連携カンファレンス」を地域ごとに順次開催していく意向を明らかにした。
同協会による「急性期病院と療養病床との連携に関するアンケート」調査は2008年8月、3次救急の指定を受けている全国202病院を対象に行い、74病院から回答を得た。対象病院には、特定機能病院が18病院、地域医療支援病院が19病院、DPC対象病院が40病院が含まれる。平均在院日数は15.3日だった。
調査対象となった病院の救急外来患者のうち75歳以上が占める割合は15.7%。入院に至った患者で75歳以上は30.8%を占めた。また、退院先が確保できないため救急患者の入院が延長することがあるとした病院は87.1%、救急受け入れを断ったことがある病院は76.7%に達した。受け入れを断った患者は平均で1カ月56.2人に及んだ。
同協会ではこれらの結果から、退院先の確保ができれば在院日数の短縮や救急患者の受け入れ増につながる可能性を指摘した。
また、救急病床の患者をほかの病院の療養病床に移したことがある病院は59.7%、一般病床からほかの病院の療養病床に移したことのある病院は97.1%に及び、現在でもほとんどの3次救急医療機関から患者が療養病床に転院している実態がうかがえた。
療養病床との連携を今後さらに強める必要性は、回答を得たすべての病院が感じているとした。また地域内で急性期病院と療養病床との連携システムをつくることになった場合、積極的に参加したいとの意向を83.3%が示した。さらに、介護保険施設や在宅の要介護認定者に急性期医療が必要になった場合、その一部を療養病床が担うことについて80.6%の病院が「できる範囲で積極的に行うべき」と回答した。
同協会は08年6月、会員の740病院を対象に「救急医療と療養病床との連携に関する調査」も実施。2・3次救急医療機関から患者の紹介があれば「できるだけ受け入れたい」とした病院が72.9%を占めるなど、療養病床を持つ病院の間に急性期病院との連携を強化する考え方が浸透していることも分かっている。(9/19MEDIFAXより)