「無医地区」減少の見通し/厚労省速報値
厚生労働省は3月9日、住民が医療機関を利用することが困難な「無医地区」が2009年10月末時点で全国に726地区あるとの調査結果を示した。5年に1回実施している「無医地区等調査」の速報値。前回の04年調査では787地区だったことから、減少する見通しとなった。
「無医地区」は997(94年)、914(99年)と調査ごとに減少している。今回も前回調査に比べ、速報値で61地区減少していた。厚労省医政局指導課は「交通機関の発達などから減少しているのでは」と分析している。都道府県別では北海道、広島、高知の順に多く、地方別では九州、中部、中国の順に多かった。
「無医地区」となる要因については、医師確保の困難さや、地理的条件、交通事情などによって医療機関の利用が困難なことなどが考えられると分析した。厚労省医政局指導課は今回の調査について「『準無医地区』『無歯科医地区』などが2000地区近くある」としており、内容を精査して調査結果をまとめる。
「無医地区」とは、半径4kmの区域内に50人以上が居住しており、容易に医療機関を利用することができない地区。「準無医地区」は、都道府県が無医地区に準じた医療の確保が必要と判断し、厚労相が適当と認めた地区。いずれもへき地保健医療対策事業の対象地域としている。(3/10MEDIFAXより)