「消費増税→社会保障増→経済成長」は可能?/未来投資PT  PDF

「消費増税→社会保障増→経済成長」は可能?/未来投資PT

 厚生労働省の「医療・介護・保育『未来への投資』プロジェクトチーム」は3月4日、千葉大法経学部総合政策学科教授の廣井良典氏から意見を聴いた。廣井氏は、介護や福祉の分野は大きな雇用誘発効果が見込めると説明。会合に出席した山井和則厚生労働政務官は、消費税増税によって社会保障への投資を増やすことが、結果的に経済成長につながるのかどうかの見解を聞いたが、廣井氏は消費税の影響には言及しなかった。

 廣井氏は「自然資源が不足し労働力が余る時代になってきている」と指摘。人材を多く必要とし自然資源をできるだけ使わない「環境効率性」の重要性を強調し、介護や福祉の分野は「環境効率性」の面で優れているとした。

 山井政務官は「社会保障給付費を増やせば経済が成長するのであれば、厚労省の予算をたくさん獲得して、医療、年金、福祉に投資すれば、経済も成長するという理屈は成り立つ」と指摘。財源確保には消費税が必要とし「消費税を上げて、社会保障給付費を増やすことが経済成長につながる。逆に言えば消費税増をせず、社会保障給付費が増えなければ、経済成長はできないという理屈は成り立つのか」と質問した。

 廣井氏は、社会保障給付費と経済成長の関係について「やや正の相関関係がある」とし、「少なくとも社会保障を増やすことが経済にマイナスではない」と述べた。(3/5MEDIFAXより)

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