「流出型」は隣接医療圏と一体化を/医療計画検討会、作成指針で方向性  PDF

「流出型」は隣接医療圏と一体化を/医療計画検討会、作成指針で方向性

 2013年度から5疾病5事業として実施する新たな医療計画に向け、人口がおおむね20万人未満で患者流出率が高い2次医療圏を流出先と一体化するなど厚生労働省が都道府県に提示する作成指針の方向性が固まった。「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)は12月7日、厚労省が示した見直しの方向性を審議し大筋で了承した。厚労省は5疾病目として新たに加わる「精神疾患」の指標案も提示。日本精神科病院協会副会長の長瀬輝諠構成員は「とてもよくできている」と絶賛した。

 厚労省医政局指導課医師確保等地域医療対策室は▽2次医療圏設定の見直し▽疾病・事業ごとのPDCAサイクルの推進▽在宅医療(居宅医療)の充実・強化▽精神疾患の医療体制構築―について見直しの方向性を示した。

 2次医療圏の見直しでは、人口がおおむね20万人未満で「流出患者率20%以上」「流入患者率20%未満」の医療圏を「流出型医療圏」とする目安を示し、医療需給状況を踏まえた上で入院医療について隣接医療圏との一体化を検討する必要性を示した。10年4月現在で349圏域ある2次医療圏のうち、流出型医療圏は87圏域(被災3県12圏域)あることも示した。医療圏は1988年には345圏域が設定されており、20年以上ほとんど増減がない。

 今回の見直しでは、医療計画で設定した数値目標の達成度を高めるため、PDCAサイクルが機能する仕組みを導入する。都道府県では、定期的な評価を行う組織(医療審議会など)やその評価時期を医療計画に明記して年次推移を評価するとともに、評価結果を公表することになる。数値目標を定める指標については「必須指標(公的統計などで入手できる指標)」「推奨指標(独自調査などで入手できる指標)」に整理するとともに、学会・団体の要望による追加指標についても検討した。

 会合では精神疾患を含む5疾病5事業と在宅医療の指標案も示した。(12/8MEDIFAXより)

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