「標準病名」と薬剤の効能・効果の不一致に係る問題について

「標準病名」と薬剤の効能・効果の不一致に係る問題について

 本紙5月4・11日号に掲載した「専門医会長との懇談」報告の記事中、専門医会長からのご意見「レセプトのオンライン請求の義務化について、問題は将来的に傷病名と診療行為のリンク付けによって、傷病名に対し適応のない薬剤を投薬したレセプトがすぐに抽出できるようになることである。適応のない薬剤を投与した場合は、減点されるのではないか」に対して、保険医協会から「レセプトオンライン請求に伴う傷病名と診療行為のリンク付けは問題と考えており、義務化撤回と併せて実施阻止に向けた運動を強めたい」と述べました。これについて会員よりご質問がありました。

 現在、健保連はレセプト様式の見直し、傷病名と診療行為のリンク付けを強く求めており、厚生労働省は08年度中に検討を開始すると回答しています。その一環として厚生労働省は「傷病名コード(標準病名)」の使用を推し進めていますが、この標準病名は薬剤の「効能・効果」と一致しないものは少なくありません。レセプトオンライン請求に伴うレセプト電算処理でこの標準病名に変更した場合、「効能・効果」と一致しないという理由で減点があってはなりません。保険医協会は傷病名と診療行為のリンク付けや「効能・効果」との矛盾を解決しないままに「傷病名コード(標準病名)」を押しつけることに対して運動を検討しているという趣旨に基づく発言です。

 審査においても「薬理作用を重視する」とした橋本厚生大臣(当時)から武見日本医師会会長になされた回答(1979年)は、今後も遵守されるべきと考えています。

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