「核兵器廃絶京都アクション2015」集大成 核兵器廃絶訴え講演会開く
2015年4月からニューヨークの国連本部で開催されたNPT(核不拡散条約)再検討会議を、核兵器廃絶の実現に向けた契機とするため、昨年来、反核京都医師の会はじめ、京都府内の関連団体と進めてきた「実行委員会」の講演会を6月30日、ハートピア京都大会議室で開催した。参加者は49人。
講演会は、同実行委員会の主催した昨年9月の君島東彦氏(立命館大学教授)講演会、11月のスティーブン・リーパー氏(元広島平和文化センター理事長)講演会、本年3月から4月まで取り組んだ「古都・京都からのアピール運動」に続く集大成的取り組みとなった。
当日は藤森俊希氏(日本原水爆被害者団体協議会事務局次長)が、「核兵器使用がもたらす惨禍と非人道性—NPT再検討会議を受け、私たちは何をするべきか—」をテーマに講演。藤森氏は1944年に広島に生まれ、被爆した。核兵器使用は「人間として死ぬことも生きることも打ち砕く」と、原爆によってもたらされた苦悩とその後の体験を静かな口調で語った。そうした被爆者の証言があったからこそ、幾たびも危機に直面しながらも、核兵器が実際に使用されることは70年間なかった。被爆者はみな高齢化している。継承を進めることが重要だとし、広島の高校生が毎年、被爆者の証言を聞き、絵を描く取り組みを紹介した。今回、最終文書が合意されず決裂に終わったNPT再検討会議だが、核兵器保有国が包囲されつつあることを指摘。さらに従来の安全保障の枠内で核兵器廃絶をすすめる手法だけでは限界があり、核抑止力論に執着する保有国の壁を崩すためにも、核兵器のもたらす「非人道性」を共有していく今の流れが大切だと語った。
また、講演の他、NPT再検討会議に際してのニューヨーク行動に参加した2氏から報告があった。最後には「核兵器の禁止・廃絶への道のりは平坦ではありませんが、その道は確実に広がっています」と訴える参加者アピールを確認した。