「昭和55年通知」で医薬品33例を追加/医薬品の適応外使用で支払基金
添付文書に記載がなくても薬理作用に基づく医薬品の適応外使用を認めるケースとして、社会保険診療報酬支払基金は9月15日付で、新たに33事例を追加した。医薬品の適応外投与に関する事例の選定は2007年9月の46事例に続いて2回目。今回の追加で合計79事例となった。支払基金は、インターネット上のホームページに審査情報提供事例として掲載している。
追加された事例は、「ジアゼパム(内服薬・注射薬)」の「てんかん」に対する処方や「ミダゾラム(注射薬)」の「けいれん重積状態を含むてんかん重積状態」に対する処方、「アトロピン硫酸塩水和物(注射薬)」の「現行の適応症について小児」に処方した場合など。
薬理作用に基づく適応外処方をめぐっては、日本医師会が「昭和55年通知」に関連した問題が解決されなければ、レセプトオンライン請求の一律な義務化は認められないと主張してきた。
いわゆる「昭和55年通知」(1980年9月3日付の厚生省保険局長通知)では、「診療報酬明細書の医薬品の審査に当たっては、厚生大臣の承認した効能効果などを機械的に適用することによって都道府県の間においてアンバランスを来すことのないようにすること」と明記されている。
79年には、当時の橋本龍太郎厚生相が「薬効表示について、医学と医師の立場がまったく無視され、製薬企業の資料のみによる病名決定で用途が規定されることは誤りでありました」との書簡を、武見太郎日医会長(当時)に送っている。(9/29MEDIFAXより)