「救急や産科の再生を図る」/長妻厚労相が所信  PDF

「救急や産科の再生を図る」/長妻厚労相が所信

 長妻昭厚生労働相は2月17日、衆院厚生労働委員会で所信を表明し、「救急、産科、小児科、外科などの医療の再生や病院勤務医の負担軽減を図る」と述べ、ネットで0.19%のプラス改定となった2010年度診療報酬改定の成果を強調した。

 改定の内容については「診療所と病院の連携を強化して、救急外来をサポートするための診療報酬を新設する」と報告。勤務医の事務負担の軽減に向けては「医療クラークの配備に対する診療報酬を手厚くする」とした。

 医療提供体制の確保については「10年度の医学部定員について、前年度に比べ360人増員して過去最大の8846人にする」とし、医師確保に取り組む姿勢を示した。

 政権交代前から廃止を主張していた後期高齢者医療制度に関しては「政権1期4年の中で廃止し、高齢者の皆さまをはじめ、より分かりやすく信頼が得られる制度へ移行する」と明言。75歳以上の後期高齢者に適用されている診療報酬体系も廃止するとした。

 新型インフルエンザ対策の充実に向けては「国内で細胞培養法を開発し、全国民の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能にする」と述べ、国内産で全国民に対する需給が可能となるワクチン生産体制の整備を約束した。

 10年度から医療費助成が拡大される肝炎対策については「検査や診療についての体制整備、肝疾患研究の強化などに取り組む」と意気込みを示した。

 職員の処遇改善に取り組んでいる介護関連施策に関しては「介護施設について、今後3年間で、定員を16万床増加させる」と説明。また、「訪問介護に関しても現行の利用者150万人を増加させ、訪問看護の体制整備にも努める」と述べた。

 持続可能な社会保障制度の実現に必要な財源確保に向けては「負担と給付の関係を透明にして、中抜きや浪費をなくす」とし、あくまで無駄の削減で捻出するとした。(2/17MEDIFAXより)

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