「政治に左右されない日医を」/森氏、会長選出馬を正式表明
日本医師会の次期会長選挙に立候補を表明している森洋一・京都府医師会長は2月1日、京都市内のホテルで記者会見し、日医会長選に出馬する意向を正式に表明した。森氏は、医療の専門家集団である日本医師会の再生を強くアピールし、「政治に左右されない医師会」の構築に向けて立候補したと強調した。
会見で森氏は、現職の日医会長である唐澤人氏と、茨城県医師会長の原中勝征氏の2氏の争いでは「選択肢がない」との声が多くの会員から寄せられているとし「第3の選択肢」として出馬を決意したとした。
唐澤、原中両氏については「現時点では、2人の意見は相いれない」とも指摘。唐澤氏に対しては、自民党とのパイプを強調して4年前の会長選を制したことについて、原中氏に対しては、民主党とのパイプを強調していることについて厳しく批判。「二大政党になったとき(政権交代が行われる状況)に、是々非々で対応できるのか」と疑問を投げ掛けた。「立候補は1月に入ってから決意した」とも明かした。
現在の日医執行部に対しては▽2200億円削減問題など小泉政権時代からの医療崩壊に対応できなかった▽政権交代後の日医をどうしていくのかが見えない▽新型インフルエンザへの対応などワクチン行政への対応策が示されておらず、小児科医として問題
意識を持っている─と批判。森氏は、自らが日医会長に就任することができれば、国民に信頼される医師の団体として「社会保障立国」に向けた政策提言を具体化すると強調した。
今年7月の参院選の対応については、日医と日本医師連盟の分離が先決とし、現時点では具体的な方針は示さない考えを表明した。
●「キャビネット選挙」の手法はとらない
日医会長選で定着してきた「キャビネット選挙」については、「森キャビネット」として副会長候補と常任理事候補を公表する従来の手法はとらないとした。副会長と常任理事のそれぞれの選挙に出馬する候補者との協調関係については、随時、協議していく方針を示した。
森氏は会見で?日医の基本理念の検討?医師、医師会の自律機能の確立?医療の質の向上と安全の確保?医療安全調査委員会設置に関する検討?地域医療の再生(勤務医の過剰労働軽減への取り組みの強化)?日医のあり方検討委員会の設置?日常的な会員との双方向性の情報伝達システムの構築?日医連との明確な分離─を掲げたマニフェスト(基本方針)も文書で明らかにした。(2/2MEDIFAXより)