「戦争法案」に抗議 理事会で反対声明を決議  PDF

「戦争法案」に抗議 理事会で反対声明を決議

声明 「戦争法案」強行する安倍政権に抗議 戦争国家への転換に明確なる拒否宣言

 政府は5月14日、安全保障法案として関連10法案を一括した「平和安全法制整備法案」と、「国際平和支援法案」を閣議決定した。これを受けて、26日、協会は「戦争法案」反対の抗議声明を第23回理事会で採決。安倍首相へ届けた。安全保障関連法案は、26日からの衆議院特別委員会で審議が始まっている。日本を再び戦争する国にしないために、協会は大きく声をあげるとともに、関係各所に働きかけを行っていく。
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 戦後70年間、私たちが営々と積み上げてきたこの国の平和主義を根底から覆す安倍政権の動きが急だ。私たちは、憲法9条を軸にした戦後の安全保障政策の大転換を、進めようという安倍政権の姿勢に強く抗議するとともに、このような政策転換に明確な拒否の意思を表すものである。
 政府は5月14日、あらゆる事態で自衛隊の「切れ目のない対応」を可能とする新たな安全保障法案として関連10法案を一括した「平和安全法制整備法案」と、戦争中の他国軍を後方支援できる「国際平和支援法案」を閣議決定した。
 この「平和安全法制整備法」には、集団的自衛権の行使が可能となる新事態を「存立危機事態」と位置づける武力攻撃事態対処法の改正案や、「存立危機事態」の際に総理大臣が自衛隊に防衛出動を命じることができるとする自衛隊法の改正案、それに「重要影響事態安全確保法」として整備する周辺事態法の改正案などが含まれる。一つひとつの法案が時間をかけて論議する問題を孕むにもかかわらず、一まとめにして一気に成立をはかっていいわけがない。
 4月27日にはそれを先どりするかたちで、日米両政府が防衛協力指針(ガイドライン)改定に合意。指針は自衛隊と米軍の一体化を質的にも地理的にも一気に拡大するものであり、それに必要な法案の国会審議以前に合意するとは順序が逆であり、信じ難い。しかも安倍首相は「この夏までに成就させる」と米議会に法案成立まで約束しており、国会軽視、国民不在の姿勢は許し難い。
 昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定、そしてこの安保法制、さらに来夏の参院選で3分の2議席を得ての改憲発議、が安倍首相の描く構図であろうが、これを認めるわけにはいかない。
 世論調査でも安保法制の今国会成立に半数が反対(共同通信、JNN)し、9条改正には63%が反対(朝日)など、国民の大半が望んでいない。憲法施行から68年、平和の礎として先達が支持し受け継いできた重みを再確認し、数の力で押し通すような暴挙を決して許してはいけない。
 私たちは生命と健康を守る医療人として、日本を再び戦争国家にしないために、平和主義を覆す動きを全力で阻止することを宣言する。
2015年5月26日
京都府保険医協会
第23回定例理事会

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