「慰安婦必要」発言の撤回を
暴力被害根絶にこそ力を尽くすべき
日本維新の会・共同代表の橋下徹氏が5月13日に「慰安婦は必要」などと発言したとされる報道を受けて、協会は14日に開催した第22回理事会において、橋下氏に抗議することを決定し、日本維新の会・共同代表の辞任を要求する抗議文を16日に送付した。
抗議文では、橋下氏の発言は人格なき性処理の対象として人間を捉えることを当然視しており、そこに人間性の底の浅さが露呈していると指摘。近現代の社会が、そういった思想を駆逐し、人間の叡智で乗り越えて成立しており、その人権思想の到達を正面から否定している。
さらに、アメリカ兵による性暴力に苦しめられ続けてきた沖縄の人々や、戦時中、慰安婦として働かざるをえなかった女性たちを、さらに傷付け貶めるものであり、その方々に対して謝罪し、かつ発言を撤回することも求める。
世界の紛争地域では性暴力が深刻な問題であり続け、日本においても、性犯罪の発生やDV、子どもへの性犯罪・児童ポルノが蔓延している。発生の防止、被害者救済など、暴力とその被害の根絶は、医療に携わる我々にとっても常に心を痛める重要な今日的課題である。
政治や法曹に携わる者は、それを解決すべき問題として捉え、女性・弱者への暴力の根絶に力を尽くすべきである。
その点から、橋下氏に政治家としての資格はなく、日本維新の会・共同代表の職を辞すよう求めた。