「慢性期リハ」、算定日数上限後に効果/日慢協調査
日本慢性期医療協会の武久洋三会長は5月8日の会見で、日慢協が実施した慢性期リハビリテーション調査の結果を報告した。標準的算定日数を超えて行われる脳血管疾患や運動器疾患の維持期リハビリ(1カ月13単位)は、原則2014年4月から医療保険で算定できなくなるが、調査結果では算定日数を超えた後に患者のADLが大きく改善した。武久会長は「医療保険を切ってしまえば、これからますます家に帰れない人が出てくる」と指摘した。
調査は、標準的算定日数を迎えた後に6カ月間のリハビリを継続した207人(脳血管疾患93人、廃用症候群53人、運動器疾患61人)について調べた。リハビリ介入開始から算定日数上限までのFIM(機能的自立度評価表)は5.1ポイント増加したが、算定日数上限から6カ月後にはさらに、10.8ポイント増加した。顕著に向上したのは食事、トイレ動作、トイレ移乗、移動についてだった。武久会長は「これらの項目は家に帰れることを意味している。14年から医療保険で適用されなくなると、ますます家へ帰れなくなる人が慢性期病院の中でたくさん発生してくる」と問題視した。武久会長は、全会員から2000例ほどの症例を集め、再び結果をまとめる意向を示した。
また、慢性期リハビリテーションの必要性を訴えるために「慢性期リハビリテーション研究会」を立ち上げることも報告した。同研究会は発足後に「協会」に移行する考えも示した。(5/9MEDIFAXより)