「急性期病床群」、制度化へ作業グループ/社保審・医療部会で設置合意
厚生労働省の社会保障審議会・医療部会(部会長=齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)は12月8日、厚労省が制度化を提案している「急性期病床群(仮称)」認定制度に関して新たな作業グループを設置することで合意した。厚労省は2012年の通常国会に提出する医療法改正法案に制度化を盛り込みたい考えで、作業グループの11年内設置を目指して調整する。一体改革や次期診療報酬改定に向けた部会としての意見の取りまとめについても引き続き議論した。
会合では「急性期病床群」について3度目の審議を行い、新たに作業グループを設置して集中的に議論を進めることが決まった。齋藤部会長は作業グループ設置について「連携の強化や機能分化を含め、急性期医療への人的資源の集中を図るための具体的方策について議論を進める」と述べた。新たな病床概念については国民や患者の理解を得る必要があるとして、作業グループには地域住民を代表する委員を参加させる考えを示した。委員の人選は部会長が行う。
作業グループ設置では合意を得たが、急性期病床群認定制度については会合でも医療提供側の委員から注文が相次いだ。
日野頌三委員(日本医療法人協会長)は一般病床で7対1入院基本料を算定する病棟が過剰になっていると指摘し、診療報酬財源や医療提供体制の観点から一定の制限が必要ではないかとした。西澤寛俊委員(全日本病院協会長)も「7対1」の導入で地方の看護師が大都市へ流出したと述べ、検討会では地方での病床区分の在り方について議論するよう求めた。相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は認定制度は患者側から見た病院像にも影響するとの見方を示し、認定単位とされる「病棟」だけではなく病院全体をどうするかの議論も必要と指摘した。患者の受療行動の在り方について議論が必要との意見も上がった。
部会では、11年内最後となる12月22日での意見取りまとめに向けて、引き続き事務局がまとめた「医療提供体制の改革に関する意見案」について審議した。病床区分の在り方については、審議した急性期病床群を含む病床の機能分化・強化などを盛り込むとともに、特定機能病院や地域医療支援病院の在り方、臨床研究中核病院(仮称)の創設などについても審議した。(12/9MEDIFAXより)