「当直翌日勤務の緩和」進まず/日産婦、大学病院を調査
日本産科婦人科学会(日産婦)は12月11日、理事会後の会見で、「当直翌日勤務の緩和」が実現できている大学病院は2010年7月時点で17病院で、09年調査時点の18病院より減少するなど、大学病院の産婦人科勤務医の労働環境の改善が進まない実態を明らかにした。同学会は08年から大学病院の「当直翌日の勤務緩和」について毎年、調査しており、1回目の08年調査では14病院だった。医療改革委員会の海野信也委員長(北里大産婦人科学教授)は「当直翌日の勤務緩和を導入しても、継続が難しく、取りやめた施設もあり、明らかに増加傾向とはいえない」と述べ、ほぼ横ばいで推移しているとの解釈を示した。
分娩ごとの手当については、10年7月時点で大学病院106病院のうち48病院が支給していた。08年は14病院、09年は32病院だったことから、分娩手当の支給については増加傾向となっている。海野委員長は「大学病院の本院だけで見ると44病院で、過半数の本院が分娩手当を支給している。国や県の補助金のほか、診療報酬改定ごとのハイリスク分娩管理加算の増額などが後押ししている」と述べた。
一方、時間外勤務手当については、「なし」が23病院、「一部支給」が48病院で、「完全支給」は15病院にとどまった。時間外手術でも、「手当てが支給されていない」が48病院に上り、「支給されている」は37病院だった。海野委員長は「まだまだ始まったばかりという感じだ」と述べた。(12/14MEDIFAXより)